こんにちは。中村司です。
和温療法や熱ショックたんぱく質(HSP療法:ヒートショックプロテイン)という言葉をご存知でしょうか。
熱ショックたんぱく質(ヒートショックプロテイン)、マイルド加温は 愛知医科大学の伊藤要子准教授、 和温療法(わおん)は鹿児島大学の鄭忠和(ていちゅうわ)教授がそれぞれ有名で、 最近よくマスコミで取り上げられるようになりました。
とくに伊藤要子准教授はNHK「ためしてガッテン」「世界一受けたい授業」などでもかなり注目されています。
温熱療法というと日本では「がん細胞を死滅させる」とされる43℃の温熱療法のイメージが強いのですが、 ほとんどの病気の方、健康を望む人々にとって非常に有益な治療法といえることでしょう。
最近では、痛み、つらい症状を解消する、傷ついた細胞の修復や再生を促すという驚くべき効果が 体験的に広く認知されるようになってきました。
しかも、伊藤要子准教授の最新の研究により「熱ショックたんぱく質(HSP:ヒートショックプロテイン)」 の理論をつかって「体を温めることが病気回復に優れている」と証明することができるようになったのです。
というのも、今までたとえば「鹿が温泉にはいって傷が癒えた」「温めると痛みが楽になった」という、 ある意味あたりまえの経験も、科学的にうまく説明できなかったという医学上の事実があります。
そのため、HSP理論:ヒートショックプロテインで「体を温めるとなぜ病気が治るのか」という理由について かなりの踏み込んだ説明ができるようになり、マスコミで取り上げられるようになったのでしょう。
「超こだわりホットパック」をお勧めしている私でさえ、温熱療法で神経痛や筋肉の痛みが軽減するのは、遠赤外線の温熱が皮下に浸透して 血流を改善したり、筋肉が緩むことに由来している といった少し間接的な説明が多かったのですが、【 温熱療法をすると、元気なたんぱく質「HSP」に変化して、細胞全体が活性化する 】 といったより直接的な説明ができるようになって、素晴らしいと思います。
病気の理由と快復のプロセスはこのように説明されます。
【 HSP理論 】
1.ストレスによって、タンパクが傷つくことで病気になる
2.体を温めることによって、HSPというタンパクが増える
3.傷ついたタンパクをHSPが治してくれる
HSPはあらゆる病気に対処できるが、活動期限があり、7日経つと停止してしまう。
(4日程度は有効に働く)
この熱ショックたんぱく質とは、人体がもともと持っている免疫よりも広い範囲をカバーし、 傷ついたたんぱく質を修復するため、いいかえれば細胞が再生し、人体を快復させていくのです。
東洋医学が提唱してきた「自然治癒力」「自己治癒力」にも結びつく理論として
【あなたの体の中に、実は1個1個の細胞の中に「元気の素」「快復の要素」が存在しているんだよ】
という結論が証明されたのだと思います。
【 HSP療法理論の要点 】
一番効果的にHSPを増やせるのが熱ストレス。
「熱」を加えることは、他の過酷なストレスに比べて、手軽で安全性が高い。
お風呂や温熱など体外から熱を取り入れれば、体温を上げるのは容易である。
目標として体温を一時的でも38-38.5℃を目指す。
(表面から、更に奥に入れば望ましいが、舌下体温である程度計測可能)
お風呂なら42℃で10分でHSPを増やせる。
HSPの温熱治療として、局部加温でホットパックなど利用
マイルドな加温をすれば血流が改善し、薬もより効きやすくなる。
また痛みの軽減物質であるエンドルフィンによって、痛みが楽になる。