「3rd Life」 創刊号 ご挨拶
- 「3rd Life」 創刊号 ご挨拶 (前半)2012.04.18
- 「3rd Life」 創刊号 ご挨拶 (後半)2012.04.18
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「3rd Life」 創刊号 ご挨拶 (前半)
こんにちは、突然の報告で驚かれることと思いますが、最後まで目を通していただけると嬉しいです。
実は2009年の春ごろからときどき話しづらいという症状があり、耳鼻科・脳外科・神経内科を転々としている5ヶ月ぐらいのあいだで、日常生活に支障が出るほど言葉が話せなくなっていきました。
どこの病院でも原因がわからず、何の対応もしてくれませんでした。
2009年12月、初めて検査入院をすすめてくれる病院を大阪で見つけ、子どもを実家に預け年末・年始で検査入院しました。
その結果、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という進行性の難病である可能性が高いと診断されました。
現代医学では治療法がない病気でした。
私は現在、アウェイの埼玉からホームである大阪に拠点を移し、この難病と向き合って生活しています。
治療法がなければ自分で見つける!大阪はそんな気持ちにさせてくれるパワーを私にくれます。
私は21歳の時にも大病を患い、左半身マヒの身体になりました。
そうなったから気づけたことや、そうなったから出会えた人もたくさんいました。
そして多くの人とかかわり支えられ、時には誰かを支えることができたかもしれません。
21歳で第二の人生、「2nd Life」が始まりました。
病気発症から一年後には社会復帰しOLになることができました。
4年間の社会人生活を経て、自分の体験を活かせる仕事ができるようにと考えて、26歳で福祉の専門学校生になり7歳も年下の同級生がたくさんできました。
30歳で結婚し、35歳直前には母にもなりました。
結婚後は大阪を離れ埼玉で生活することになり“なんちゃって標準語!?”で福祉関係の仕事に携わっていました。
数年後、「これは天職かも!?」と思える仕事に出会うことができ、出産後も育児をしながら仕事を続けていました。
脳内出血で「2nd Life」のスタートをきったとき、私には「何で?何で?何で、私がこんな病気になるの・・・?」といった感情は一切なく、「自分の家族で誰かがこうなる運命だったなら、それが自分で良かった。」
とさえ思い、ただただ前を向き、考えられないほどのポジティブさで人生を突き進んできました。
そうやって歩いてきた(もしかすると走っていたのかも?)14年間は、言葉では言い尽くせないほど内容の濃い時間でした。
そして2009年、「3rd Life」が始まりました。
「3rd Life」 創刊号 ご挨拶 (後半)
そして2009年、「3rd Life」が始まりました。
「2nd Life」の始まりと大きく違うのは「何で?何で?何で?何で?何で、私ばっかり?」の思いしかなく、「2nd Life」14年間で流した涙と同じ量の涙を、一週間で流しました。
子どもの顔を見れば涙が止まらず、先を考えれば不安で涙が溢れる毎日でした。
ほぼ毎日、涙を流して気づいた大切なことが一つありました。それは自分1人だったらここまで辛くなかったのかもしれない。フッとそう思ったとき、改めて母になった喜びと責任を感じ、親としての責任を全うするべく「生きる」決意ができました。
「何で?何で?」と泣いていれば進行が止まるのか?というと、そういう訳でもなさそうだと1年以上かけて知り、発想を変えてみることにしました。
そのきっかけになったのは今年の年賀状でした。
病気でバタバタして2年間出せてなかった人からいただいた年賀状を見たとき、たとえ数分でもわざわざ時間をとって私に向けて書いてくれているのに、その人を無視することはできない!したくない!と、強く感じました。
それに病気であることを伝えた人に対して、言いっぱなしになっていたことも、とても気になっていました。
そして考え方を変えたとき、あることに気づきました。
病気・事故で命拾いした人、また定年退職などで「第二の人生」を生きている人はよくいますが、私はこの歳で「第三の人生」を生きていくことになった、「もしかしたらこれってラッキーなことかも!?」
考え方を変えると、13年前、自分の経験を無駄にしたくない、自分にしかできないことがあるはずだと会社を辞めて、福祉の専門学校に行った時と同じような情熱が湧き上がってきました。
「助かっても植物状態かもしれない」と言われた日から、もうすぐ丸17年になります。
この「3rd Life」では、私がこうなったから気づいたことや感じたこと、また子どもとの日常、そしていろんなことへの感謝の気持ちを文字で表現して伝えたいと思っています。
これを読んでくださる皆様が、「もし自分の妻が…」と考えてみたり、同じ子どもを持つ母親としての想いに共感できたり、または家族が、兄弟が、友達が、患者さんが、など、どんな角度からでもいいので、何か
感じていただけるものがあれば本当に嬉しいです。
「治療法のない病などない!人の心が人を救う!」
どうか私たち家族を温かく見守り、応援してください。
「人生を心で生きるとき、人生は価値ある輝きを放つ」と信じて頑張ります。
もし、この「3rd Life」の発行を楽しみにして下さる方がいれば、それだけでパワーに繋がります! 今後とも、宜しくお願いいたします。