第37号 「3rd Life」
- OSAKA2014.5.25
- あのとき…そして今2014.5.25
- 公開授業2014.5.25
- ~旦那後記~2014.5.25
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OSAKA
4月も後半に入ったある晩、こうちゃんがふと「大阪のばぁちゃんのところに行きたい」とつぶやきました。
それを聞いた私は少し考え「実家に介護用ベッドさえ用意できればなんとかなる」との結論に至りました。
そうと決まれば善は急げ!まずは大阪でお世話になっていたケアマネさんに連絡をとると、
帰省中のベッドレンタルと大阪での介護タクシーの手配を快諾してくれました。
次にGW中の新幹線の空き状況を確認、大まかな段取りが見えたところで、主人に「GW後半に大阪に遊びに行かない?」と話を持ちかけてみました。
突然の提案に最初は驚いたものの、快く同意してくれた主人と、久しぶりの大阪行きに大喜びのこうちゃん、
GWは大阪帰省を家族全員で満喫してきました。
先日ディズニーランドで丸一日遊びきれたことは自分の中で大きな自信となっており、今回は迷うことなく大阪行きを決断できました。
また今回の帰省では大阪在住時の主治医だった先生にお願いして、いざという場合の緊急対応を引き受けていただくことができました。
「緊急時に頼れる場所がある」ということの安心感は非常に大きく、その事実だけで、逆に不測の事態は起こらないと思うことができました。
やはり最終的に病気に対抗きるのはメンタルなんでしょうね(*^_^*)
そんな私の勢いで急きょ決定した大阪行きに「なんか林さん大阪行くらしいよ!」
と驚きながらも、ヘルパーさん、ケアマネさん、訪問看護師さん、往診の先生、みなさん慌しくも最大限に努力してくださり、本当に感謝しています。
すでにお気づきかもしれませんが、私の場合、勢いだけで生きていると言っても過言ではないような人生なので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
大阪では弟家族や幼馴染のMちゃん夫婦、大阪でお世話になったヘルパーさんなど、たくさんの懐かしい面々と再会することができました。
「いや~ほんまに帰ってきたんやね!」「林さんらしいわね~」「前より元気になってるんと違う?」などなど、
懐かしい関西弁の心地よい響きとテンポの良いツッコミに心が癒され、本当に楽しいひと時を過ごすことができました。
今回あらためて思ったのですが、私の周りにいる人たちは、大阪の中でもかなりトーク力が高い部類に入ると思います。
そんなみんなのテンポの良いトークを聞いていると「いつか必ずこのトークに加わり、最高のツッコミとオチを決めたる!」
という野望がふつふつと心に湧いてきました。
どうやら私の人生におけるもっとも重要なキーワードは「勢いと笑い」のようです。
なんといっても「大阪で生まれた女」です、大阪の街のよう捨てん。(*^_^*)
あのとき…そして今
21歳に脳出血で倒れたとき、友人の車で病院へと運ばれながらも頭の中は意外に冷静で「救急車じゃないから道は譲ってくれへんなぁ」とサイレンの重要性を感じたり、
「人間って死ぬときはこんな感じなのかな」などと考えていました。
さらには、いま死んでも「我が人生に一片の悔いなし!」と満足できる生き方をしてきた自分に、少し誇りを感じたりもしていました。
それでも若干21歳。
まだまだやりたいこともたくさんあり、「死にたくない」というよりは「死ぬわけにいかない」という強い思いで21時間の大手術を乗り切り、
執刀医からは「生きようとする生命力が凄かった」と言われました。
あの時、独身で子どももいなかった私は、ただ単純に『もっと遊びたい!』という、その一念だけに執着したアホ丸出しの精神力で一命を取り留めたようなものでした。
そのお蔭で結婚もし母になることもできました。
そして今は「死にたくない」でも「死ぬわけにいかない」でもな「母として生きる!」その一心に執着していこうと思います。
いまの私には21歳のころに「まだまだやりたいことがある」と思ったより、何十倍何百倍もやりたいことがあります。
最近読んだ本にこんなことが書いてありました。
『現状維持とは、つまり後退の始まりである。何に対してもこれでいいと思ってはいけない』
進行性の病のため、つい現状維持に満足しがちですが、確かにあのころの私は「これでいい」などと思ったことはなく、常に前進あるのみで未来を切り開いてきました。
久しぶりの大阪は私に懐かしい記憶を呼び戻してくれました。
ALSという病名なんかに気後れせず、もっと強気に不撓不屈の精神で、母として生きていこうと、改めて心に誓うことができました。
公開授業
こうちゃんの通っている小学校では年に8回、土曜日に公開授業が実施されており、父兄が自由に見学できるようになっています。
先日2回目の公開授業があったのですが、主人が仕事の都合でどうしても行けなくなったので、ヘルパーさん2名と私の3名で見学してきました。
こうちゃんの教室は3階にあるのですが、行きの階段では校長先生をはじめ、用務員さんや通りがかりの保護者の方にまで協力してもらい、車椅子に乗った私を運んでいただきました。
帰りには校内放送を使って男性の先生に介助の呼びかけをしていただくなど、学校にはとても協力的な対応をしていただけました。
教室では「超」が付くほど生真面目なこうちゃんが、それでも前回よりはリラックスして授業を受けている様子を見ることができ、とても楽しい公開授業でした。
~旦那後期~
先日、小学校で初めての遠足がありました。
こうちゃんに「どんなお弁当がいい?」と聞くと、大好きなおかずのリクエストに加え「それとね、キャラ弁じゃなくて普通のお弁当がいい」とのこと。
キャラ弁は女の子ならいいけど、こうちゃんにはちょっと恥ずかしいそうです。
母親なら軽くショックかもしれませんが、男親である自分は「男の子だな~」となんだか嬉しくなってしまいました。
今月7歳を迎えたこうちゃん、これからこんな風にどんどん成長していくのでしょうね。