第28号 「3rd Life」
- 家族力2014.04.30
- プチ情報2014.04.30
- 『幸せ』の感じ方2014.04.30
- ~旦那後記~2014.04.30
- → 「 3rd Life」 各号の紹介ページへ戻る
家族力
退院当日、大阪から母と姉が遊びに来てくれました。
前日からこうちゃんはテンションMAXで、到着を待ちきれない様子で池袋駅に迎えにいきました。
久しぶりに母と姉に会うこうちゃんは、2人に見て欲しいものがあり過ぎて若干パニクリ気味でしたが、とりあえずコマなし自転車に乗れるようになった姿を見てもらおうと、近くの公園へと出かけていきました。
張り切り過ぎて2回ほど転んだこうちゃんですが、泣くこともなく颯爽と自転車をこいでいたそうです。
夜は母と姉が泊まるホテルで一緒に寝かせてもらい、翌日は3人でサンシャイン水族館に。
母と姉の道案内をしながらスタスタと池袋の街を闊歩するこうちゃんはすっかり都会っ子になっています。
翌日には妹家族も来てくれ我が家が大いに賑わっていると、ヘルパーさんが
「明るい親戚さんですね!」と言ってくれました。
そうなんです!私はこの明るさにどれほど救われているか・・・
以前大阪で訪問看護師の方に
「大変な病気を抱えているのにりえこさんにはまったく重症感がない。来るのが楽しい。」と言ってもらえたことがあり、私には最高の褒め言葉でした。
治療法が見つかるまで、常に「笑い」で乗り切ろうとする私の身内は、底抜けに明るい最強のメンバーです。
みんなそれぞれの立場で、いろんな想いを抱えているはずだからこそ、私自身が毎日を笑顔で過ごすことが大切だと思っています。
プチ情報
先月、本を3冊購入しました。
そのうち2冊は栗原はるみさんの料理本です。
今の身体では自分で料理を作るのは難しいのになぜ? と不思議に思われるかもしれませんが理由は2つあります。
1つはイメージトレーニングです。こうちゃんにこれを作ってあげたい!これも食べさせてあげたい!と、どんどんイメージを膨らませることで、来るべき日に思う存分腕を振るう準備をしています。
そしてもう1つはさらなる修行のため・・・
いま家での食事は主人が作っているのですが、これまでの主婦生活で普通より上のレベルの食事を作ってきたという自負がある私に、一度たりとも
「 ○○ の作り方は? ○○の味付け教えて」
と聞いてくることがないのです (>_<)
インターネットのクックパッドに載っているレシピに従い淡々と料理を作る主人に、主婦としてなんとも言えない敗北感を味わい、傷ついたプライドを少しでも癒し、今更ながらさらなる修行に励むため、ベッドで料理本を眺めています。
しかし、ちゃんと栄養のバランスを考えながらこうちゃんの食事を作る主人の姿に感心すると同時に、ここまでする人はそうはいないだろうなと感謝しています。
ちなみに、もう一冊は林真理子著の『野心のすすめ』です。
『幸せ』の感じ方
8月中旬、2ヶ月半ぶりに自宅に帰ってきました。
この気持ちを言葉にすると「自宅はええわぁ、在宅最高!」です (o^^o)
今までも当たり前に思っていたわけではありませんが、これまで以上に、私の在宅生活を支えて下さる多くの方に感謝しています。
「本当にありがとうございます。」
自宅に戻ってから久しぶりの訪問入浴でお風呂に入っているとき、あまりの気持ちよさに温泉にでもきているかのような気分になり、さらには自分で何もせず寝ているだけで身体や髪がきれいになっていくことに小さな幸せを感じました。
そのとき一瞬ではありますが、 「動けない」ではなく「動かなくてもいいんだ」と思えたことで、肩の力が抜けて楽になったような気がしました。
『ALS患者として一歩前進したかな!?』
そんな風に思えた瞬間でした。
ALSは確かに過 酷な病気ではありま すが、心が冒されな ければいろんなとこ ろに転がっている 「幸せ」を感じられ るものですね。
一つずつ拾い集めたいと思います。
~旦那後期~
さて、料理の初心者にもっとも重要なのは「レシピの分量を守ること」だそうです。
全くの初心者である自分が「醤油も塩も大体でええねん」という妻ではなく、「醤油大さじ2、塩小さじ半分」と明記されているクックパッドのレシピに頼らざるを得ないとしても、これは止むを得ぬ仕儀というべきでしょう。
ともあれ日々料理奮闘中の身ですが慣れてくるとなかなか楽しいもので、最近はかぼちゃの冷製ポタージュなどもレパートリーに加わりました。(^ ^)v