第４６号　「３ｒｄ　Ｌｉｆｅ」　（りえこ新聞）　

ヘルパーさん

我が家は現在スタメンのヘルパーさん７名と、研修中のヘルパーさん３名のお世話になっています。

日中は基本的にヘルパーさんと１対１になるため、一通りのことができるようになるまで、だいたい２ヶ月くらいの研修を行った後、独り立ちとなります。

研修後、一人で担当となる初日は、みんな相当なプレッシャーを感じながら頑張ってくれています。

私が言うのもおかしいですが、呼吸器を付けた利用者と２人きりで、何時間も向き合って働くことができるヘルパーさんは、やはり肝が据わっているなと、まるで他人事のように感心してしまいます。

日中に訪問看護師さんなど人の出入りはあるものの、もし２人のときに何かあったらどうしよう、と考えると、私ならこの仕事に就くことができるかな？と考えてしまいます。

だからこそヘルパーさんだけのスキルアップを望むのではなく、自分自身もともに成長していきたいと思っています。

もう時効ですが、上京して間もない頃、ポータブルトイレへの移乗がうまくいかず、ベッドから滑り落ちてしまったことがありました。

一度体勢を崩すと、女性一人の力で立て直すのは難しく、ヘルパーさんとともに床に倒れ込みました。

その時、人工呼吸器と私をつないでいる『命綱』である気管カニューレがはずれてしまいました。

人工呼吸器を付けるようになってからは自力で５分以上呼吸をしたことがなかったので、その瞬間はかなり焦ったのですが、私以上に不安でパニクッているヘルパーさんを見て、逆に『自分でなんとかするしかない！』と思うことができました。

気持ちを落ち着けてゆっくり呼吸をしながら、文字盤ですべての指示を出し、ヘルパーさんが必死で読み取り、カニューレがはずれてからドタバタの１時間、なんとか病院にたどり着くことができました。

呼吸器患者になった当初、ちょっと呼吸器がはずれただけでパニックにおちいっていた私に

「ついこのあいだまで自分で呼吸してたんやから焦らずに落ち着くように」と言っていた大阪の主治医の言葉を思い出し、

「私は大丈夫！」と言い聞かせて、その場を乗り切ることができました。

やはり「負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事」は大事ですね。

その当時、関係者はみな、とても心配して連絡をくれたのですが、当事者である私は「意外といけるな！」という充実感でいっぱいでした。

その時のヘルパーさんには「生きていてくれてありがとう。」と言われてからお会いしていません･･･。

いまもどこかでヘルパーの仕事をしていているのでしょうか？

※ちなみに２０１３年４月から「ホームヘルパー２級」という名称は変更となり、ホームヘルパー２級の資格保持者は「介護職員初任者研修修了者」となります。