パーキンソン病の診断には、症状・経過。検査の結果などを総合的に判断します。
そこで、パーキンソン病が疑われる場合には、神経内科などの病院を受診し診断を受けることがすべての始まりになります。
パーキンソン病の診断の基準:
パーキンソン病の診断には、基準があります。
診断基準は、以下の通りです。
- 主な症状(何もしない状態で、人から力を入れたら反応する状態・精神的なストレスが起きたら、
手や腕が震える・動き始めがゆっくりと動く・バランスが崩れた場合に自分で姿勢を保てない障害) - 頭部のCTやMRI画像に、見た目に異常がないこと
- 症状が進んでいること
- パーキンソン病の薬を使うと明らかな症状に変化が見られること
- パーキンソン病によく似た症状を示すパーキンソン症候群を外すこと
パーキンソン病とパーキンソン症候群では、治療法と経過が違いますので、病気を分ける正確な診断が必要となります。
パーキンソン病の症状:
パーキンソン症候群の症状には、以下のことがあります。
- 何もしないときの振るえがない
- 病気の経過が早い
- 病気をしてからすぐにつまずく
- 早くから認知障害や自律神経症状が現れる
- 対パーキンソン病薬の効果が悪い
- 左右対称に反応が現れる
パーキンソン病と似た症状:
- 進行性核上性まひ・進行変性疾患・多系統萎縮症・薬の副作用・正常圧水頭症・脳腫瘍・脳卒中・大脳皮質核変性症などがあります。
パーキンソン病の検査:
頭部CT・MRI
パーキンソン症候群は、この検査では異常を示します。
MIBGシンチグラフィー
この検査は、MIBGという物質を心臓の筋肉に反応させて心臓の交感神経の働きを見る画像の診断方法です。
心臓の交感神経の機能が正常であれば、MIBGが心臓に集まっていきます。
パーキンソン病では、心臓の交感神経の働きが低下している事が多く、ヤール重症度Ⅰ度の患者さんでも約70%の人が、パーキンソン病の症状が進行している人では、約95%の人がMIBGの集まりが悪くなります。
検査結果や診察から病気の区別を行います。
パーキンソン病の薬を使っている場合、症状が複雑になります。
パーキンソン病の進行期の症状:
- 日内変動(ウェアリング・オフ現象 ノー・オン現象)
- ジスキネジア
- 精神症状
- うつ症状
- 自律神経症状
- 認知症状
パーキンソン病の薬を長く服用されている場合で問題になるものは、1日のうちで症状が大きく変化する日内変動と体が自分の意思と違い勝手に動くジスキネジアです。
これらは、運動合併症と呼ばれ、薬の服用を始めてから、5年後には、約50%の患者さんの現れるといわれています。
また、日内変動のウェアリング・オフ現象とは、薬の効いている時間が短くなり、次の薬の服用までの間に薬の効果が切れてしまう現象のことです。
薬の切れている時間帯になると、患者さんは急に動きが悪くなります。
ノー・オン現象とは、パーキンソン病の薬を飲んでも薬の効果が現れない現象です。
さらに、寝つきが悪いという睡眠の問題やレストレス・レッグ症候群といって、寝ようとすると、足がほてったり妙に気になったりしていき、足を動かしたり、足をこすったりすると気にならなくなるが、静かにしているとまた気になっていき、その結果眠れなくなる事がおきます。
パーキンソン病の精神疾患:
幻覚症状は、パーキンソン病の精神疾患で一番多い現象です。
パーキンソン病のリハビリ:
パーキンソン病のリハビリの目的には、体の動きをつかさどる脳への情報を送ることが上手くできないため、簡単な動きを決まった順番で動かすリハビリを行う事になります。
リハビリの中で重要なものとしては、歩行のリハビリがあります。
パーキンソン病の方は、歩行に特徴があって足がすくんだり歩幅が狭くなったりして、体のバランスが保ちにくくなります。
そのせいか、つまずいて転ぶ確率が、非常に高くなります。
もし転んで骨が折れたりすると、長時間ベッドに休んでいたり、また、転んでしまう事を考えてしまい、次第に歩かなくなることがあります。
関節の動きを強化するストレッチ:
動きを楽になるために、肩関節や股関節・腰や膝の筋肉をゆるめたり関節の硬さを軟らかくしたりします。
筋肉を強くするリハビリ:
背中やお腹の筋肉を鍛える事で、姿勢も楽になったり、呼吸も普通にできるようになります。
飲み込みにくさ・のどの動きを強化するリハビリ:
パーキンソン病では、のどの筋肉が上手く動かなくなるため、食べ物が気道に入りやすくなったりして肺炎を招きやすくなります。
他にも、いくつかのリハビリがあります。
- 舌を動かす運動
- 声を出す訓練
- 肩の関節を良くする運動
- 顔の表情筋を動かす運動
- 寝返りの運動